今日はいただいた質問にお答えしたいと思います。
いただいた質問はこんな書き出しでした。
「てるひさん質問です!
夫と深い話をするのが怖いんです。
今日の出来事とか趣味の話とか、たわいもない話しはたくさんするのですが、心の中の不安やモヤモヤなどを話題にする勇気がありません。
夫は、結論のない話に付き合うのがストレスのようです。
なので自分の中でもう結論が出たことの報告ならできるのですが、悩んでいるときは怖くて伝えられません。
本当は、渦中にいるときこそ話を聞いてほしい、ゆっくり寄り添ってほしいのに。。
勇気をもって話しかけたこともあるのですが、スマホいじりをやめてくれず。
聞いてほしいの、と言っても、聞いてるじゃん、と。。
他のことをしながらではなくてしっかり聞いてほしいのに。
同じことを繰り返されたらと思うと傷付くのが怖くて、表面的な話題しか口に出さなくなっています。
何かアドバイスがあればお願いします。
N子より」
☆
N子さん質問ありがとうございます。状況はよ〜くわかりました。多分この悩み、多くの女性が同じ悩みを持っているはずです。私もはまったことがあります。
・・・私の場合、N子さんの旦那さんの立場が多かったですが(汗)
この片方がたくさん話しかけ(女性のケースが多い)、もう片方が聞いてくれない(男性のケースが多い)というパターンはパートナーシップではよく起きるすれ違いです。
この問題は女性脳と男性脳の違いだ、と言われることもありますが、私のケースでは私が話を聞かない側(男性脳と言われる方)だったのでここでは女性・男性とせず理論派と感覚派として説明しましょう。
理論派は一般的には男性脳と言われる方で理論的な話を好みます。
感覚派は一般的には女性脳と言われる方で感覚的な話を好みます。
この質問をしてくださったN子さんは感覚派です。自分がN子さんと同じような悩みがあると思ったら
感覚派として読んでいただければと思います。逆にN子さんの旦那さん側に近いな、と思ったら自分は理論派かな、と思って読んでみてください。
☆
まず理論派・感覚派の話し方には大きな違いがあります。それは
理論派 話が短い・簡潔・結論を話す・内容を理解してほしい
感覚派 話が長い・順番が前後しやすい・感じていることを話す・一緒に感じてほしい
です。
理論派の人は話の起承転結があって、結論がはっきりしている分かりやすい話を好みます。映画でいえば正義と悪がはっきりしていて正義が勝つハリウッド映画のようなものです。
対して感覚派の人は話に起承転結はありません。ただ、感じていることを分かち合いたいのです。そして往々にしてネガティブな感情の時が多いのが特徴。映画でいえばなんとなくアンニュイな感じでスッキリとした結末があるわけでない、でも芸術的、というフランス映画のような感じです。
理論派の人は話が聞きたくないわけではありません。起承転結と結論がほしいのです。なので感覚派の人が起承転結がはっきりしない感覚的な話を聞いているとこんな気持ちになってきます。
1、長々と話されて結局結論がない話にイライラ
→時間を割いた甲斐がないという感じ
2、話は聞いているのに「聞いてない」と言われてイライラ
→内容は覚えている、解決策も提案している、何が不満なのかと思う
3、自分の時間を奪われている様な気がする
→結果を出して行動につながるとスッキリするタイプだから
問題が解決しないなら無駄な時間と思う
4、問題を解決してあげれない
→無価値観を感じる
これは感覚派の人の話し方が悪いと言っているわけではありません。理論派の人は話を聞いてあげたくても、感覚派の人の話し方が自分の聞きやすいパターンとは違うパターンでなので、どうしてもイライラしてしまうということを伝えたいのです。
あなたはどっちのタイプですか?
感じていることを分かち合いたくて話すタイプですか?それとも結論を分かち合いたいタイプですか?
このタイプの違う二人が会話をするということは、実はまったく違う言語を話すようなものです。
一人は結論について話し、もう一人は感じていることについて話す。だから話は平行線。両方とも自分の言っていることを理解してもらっているように感じません。
さてそれではどうしたらいいのでしょうか。
今日はN子さんの立場に立って感覚派の人がどうやって自分の話を聞いてもらったらいいのかお伝えしましょう。
☆
感覚派の人は感じていることを分かち合いたいのです。そこで理論派の人に話す時は以下のようにしてみてください。
1、話の切り出し方を変える
→「悩みを聞いて欲しい。」と持ちかけると逆効果
その時点で相手の頭の中でどうやって問題を解決してあげようかと頭が働き始める
「問題解決のアドバイスは今は欲しくないの、まずはただ黙って受け止めて欲しい。」とか
「他のことをやりながらだとここにいない感じがするから、手を止めて黙って聞いて欲しい。」 などという感じに具体的にどうして欲しいのか細かく言うことが大事。
そんなこと察してくれよって思っちゃう様なことを自分の要求としてはっきり言わないと相手はわからないものなのです。
そしてこの要求、実は相手にとってはちょっとストレス。何も解決するな、結論はいらない、というのがストレスポイントなのですね。
だから最初、形から入って黙って聞いてくれたとしても、相手の心はちょっとイライラしてたり結局一緒に感じてくれるところまではいかないかもしれません。
そういう時、それでも手を止めてくれた、とか、黙って話終わるのを待ってくれた、という相手の努力は受け取ってあげる必要があります。
黙って聞いてくれた時は「今日は黙って聞いてくれてありがとう。」と、感謝を伝えることも大事なのです。たとえそれが自分の100%思い描いた通りではなくても。
それを繰り返すと「黙って聞いてれば嬉しいのか。」と思う様になり、だんだんじっと聞いてくれるようになるでしょう。
さて、では理論派の人へもアドバイスです。感覚派の人の話を解決策を考えずに黙って聞くのは、最初はとても苦しいはずです。でも相手が「悩みがあるの・・・・聞いてくれない?」と持ちかけてきて、アドバイスを言ってうまく話が終わったことはほとんどないはずです。その理由は前述した通りなのでわかりましたね?
なのでもし相手が「悩みがあるの・・・・。」と持ちかけてきてもそのフレーズ通りにとってはいけません。「きたきた!これは解決してほしいってことじゃないんだ!感じて欲しいってことなんだ!」と注意してくださいね。
そしてとにかく1度、1度でいいです。何もアドバイスや解決策をはさまず、スマホもパソコンも見ず、ただただじっと耳を傾けてあげてください。相手が話し終わるまでただ黙ってじーっと聞いてみてください。
そして相手は「実は何を感じているんだろう?」と想像してみましょう。解決策を考え始めるのではなく相手の感じていることを想像するのです。
とにかく1度あなたが手を止めてじっと耳を傾けると、意外と早く話が終わることに気づくでしょう。あなたが耳を傾けさえすれば相手の人は満足して話を終わらせるのです。
そしてできれば!話の途中で「へ〜、そうなんだ。」とか「どうしてそう思うの?」など相手の話を促すように相槌を打ちましょう。
感覚派の人はリアクションが大きいと「わかってもらえた!」と思う傾向があります。だから相手が何か言った時にこちらのリアクションが小さいと「わかってない!」と思う節もあります。だから話を聞いてわかった時は大きく頷いて「へ〜、なるほど〜。」と感情を込めるのも大事です。頭ではなく、心で相手の話を聞くのです。
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そもそも理論派の人は言葉に感情をのせません。簡潔に結論だけ、というのは感情をのせずに話す、ということです。
でも感覚派の人は感情をのせた話がしたいのです。感情が入っていないと冷たい人、というようにも判断されたりします。そうなるとこちらが耳を傾けようと努力していることは水の泡です。なので
1、黙ってじっと聞く
2、できればうなずく
をやってみてください。
うまく聞けると話が短くなるだけでなく、話の最後に相手が自分で問題を解決したりしますよ。結局本人はどうしたらいいのか既に知っているのです。ただ、モヤモヤした気持ちを誰かに聞いてほしいだけなのです。
相手が話したいことを話し終わった時、自分で問題解決をしている様子を見るという体験をすると、今まで自分が一生懸命問題解決をしようとやっきになってうまくいかなかったのが、なんだったんだろうと拍子抜けするほどだと思います。
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さて、いかがでしたか?今日は感覚派と理論派の人の風景の見え方についてお伝えしました。どちらが良い、悪いではありません。ただ、同じ言語だ、と思っていても違う言語を話しているんですよ〜ということを知っていてください。
そのことがわかるだけでも、理解されないとか愛されていないとか落ち込むことが減ってくるはずです。