私は感情表現が苦手でした。
嬉しい時も悲しい時も寂しい時も、そんな心の内を気取られないように感情を消していました。
つい冷静沈着で落ち着いている仮面をかぶってしまうのです。
それは、感情的になったらみっともない、嫌われてしまうと思っていたからでした。
落ち着いた安全な人になりたかったのです。
理性的であることは、その場をやり過ごすためには役に立ちます。
でもある時、誰とも繋がった感じがしていないことに気づきました。
それは今から考えれば当然です。
周りにいる人の誰にも私の心の内を見せていなかったのですから。
誰が私のことを理解しているの?聞かれれば、「誰もいない」と答えたでしょう。
本気で人と繋がりたいと思った時、長年封印していた自分の感情を紐解きました。
溢れ出るのは怒りや悲しみ、孤独、絶望・・・、そして喜び。
それらの感情を隠さず、近しい人達に表現してみたのです。
最初は嫌われるのではないかと不安でした。
でもやってみると、それは杞憂だったことがわかりました。
周りの人は私が感じていることを知りたかったのです。
私を理解し、繋がりたいと思っていたのです。
感情を表現できるようになるにつれ、理解してくれる人が増えていきました。
好きになってくれる人も。
まだ感情表現が得意なわけではありません。
でも素直に表現する自分でありたいと思います。
やっぱり私は人と繋がりたいから。