「イラっと」した気持ちを消さない方がいい
さて、「イラっと」した自分を責めない方がいい、ということが理解できたら、次に「イラっと」した気持ちを消さない方がいい、ということを説明していきましょう。
先ほど「イラっと」した自分を責めていると、結果的に逆効果だとお伝えしました。実は「イラっと」する気持ちを消そうとするのも、同じように逆効果です。
イラッとする気持ちを消さない方がいい理由は二つあります。それは次のようなものです。
①「イラっと」は消せるものではない、抑え込んでいるだけ。結局心の中に溜まっていく。
②「イラッと」を抑えたコミュニケーションは取り繕った会話。本音の心のふれあいにはならない。
どうですか?こう言われてみると、自分でも思い当たることがあるでしょう。
一生懸命「イラっと」を消そうとして努力しても、実はストレスが心に溜まっていて、ある日「タガ」が外れて大爆発してしまうというケースや、「イラっと」を消して取り繕っても、全然仲良くなった気がしない、というケースです。
ためていた「イラっと」が大爆発すると、爆発された相手には急に怒り出したようにしか見えません。そして相手にとっては理不尽に怒られた、という印象しか残らないのです。つまり、一生懸命消そうとしていた我慢が水の泡になってしまいます。せっかく我慢していたのにそれが全然わかってもらえないなんて、こんなに悲しく、滑稽なことはありません。
そしてもちろん、「イラっと」を消して本音の付きあいができないのも、とても悲しいことでしす。仲良くなりたくて「イラっと」を消すはずなのに、結局どこか自分をわかってもらえた感じがないまま年月が過ぎてゆき、いつしか心は離れていってしまうからです。「イラっと」を消し続ける関係を何年も続ければ、まさに仮面夫婦になっていってしまうでしょう。自分の考えをわかってもらえる気がせず、相手の考えもわからないまま時間がすぎ、気付いた時には「どうしてこの人と一緒にいるんだろう?」となってしまうのです。
つまり、「イラっと」を消そうとすることは一時的な対処法にしかならず、夫婦の関係が深まることはないと言えるでしょう。
つづく・・・