自分の欲求をみてみよう
さてここまでは「イラっと」した時にその「イラっと」をどうにかしようと思っても、結果的には心にストレスが溜まってしまってうまくいかない、ということをお伝えしてきました。
でもこれだけでは、「イラっと」した時にどうしたらいいのか、問題の解決にはなっていませんね。このあとで「イラっと」した時にどうしたらいいのかは具体的にお伝えしていきますが、その方法を学ぶ前に大切なことがあります。
それは、
自分が本当はどうしたいのか、心の望みを明確にすることです。
さあ、あなたは一体何を望んでいるのでしょうか。もちろん、この文章を読んでいるということは「イラっと」をなんとかしたい、「夫と仲良くなりたい」という思うがあるということでしょう。
でも実は人の心の中は複雑です。一方で仲良くなりたいと思っていながら、まだ文句を言いたいという自分もいたりするのです。その心の欲求を整理しないまま会話をしているので、仲良くなりたいと口ではいいながら、どうも文句をいっているようにしか聞こえない、ということになってしまうのです。
自分が自分の欲求が整理できていない状態で会話をしているので、本当に伝えたいことが伝わらないのです。
試しに、心の欲求の例をあげてみましょう。
★夫にしてあげたいこと
・優しくしたい
・愛したい
・話を聞いてあげたい
・喜ばせたい
など
★夫にして欲しいこと
・もっと愛して欲しい
・もっと理解して欲しい
・生活を安定させて欲しい
・話を聞いて欲しい
など
さてどうでしょうか。いつくか当てはまるものがあると思います。そして欲求をあげだしたら、もっともっとたくさん出てくるはずです。
実はコミュニケーションがうまくいかない理由は、その欲求が頭の中でぐちゃぐちゃになっているからです。
欲求があることは悪いことではありません。そして沢山の欲求があるのが普通です。でもその欲求がどこから来ているの?本当に大切にしたい欲求ははどれなの?ということが整理されてない状態で会話をするので、実は会話にその色々な欲求が混ざって出てしまっているのです。結果的に言いたいことが伝わらない感じがして、話し合いも決裂してしまいます。
「イラっと」したことを伝えたい1番の目的は「わかってもらいたい」ということです。「私がこんなことで「イラッと」している。それをわかって欲しい、行動を変えて欲しい。」というのが伝えたいことです。
でも心のどこかでこんな欲求がある場合があります。
・相手の上に立ちたい
・ストレスを発散したい
・勝ちたい、負けたくない
・捨てられたくない
など
どうでしょうか。これらのように理解しあうこととは程遠い欲求を持っている場合もあるのです。
こういう欲求は無意識下に潜んでいることが多いのですが、言葉にはちゃんとエネルギーが乗ってしまいます。
最初の私と夫のやり取りでも、私が一番に望んでいたことは夫と素敵な休日の午後を過ごすことだったはずです。(最初のやり取りはこちら)でもあのやり取りを読み返してみれば、それとは違う欲求もたくさん混ざっていることがわかるでしょう。
夫の言っていることにも一理あるのに、夫を自分勝手だと言ってしまうあたりには、負けたくないとか、相手の下にはなりたくない、などの無意識の欲求もまざっているのです。
でもコミュニケーションを始めている張本人は一生懸命伝えているつもりで、そのエネルギーがどうなっているかを客観的にみることはありません。そうして無意識の色々な欲求が混ざったまま会話を続け、結局わかってもらえずに決別という悲劇へと向かっていくのです。
なのでまず一度、心の中にある欲求を整理する事をオススメします。欲求にいい悪いはありません。勝ちたい・負けたくないと思ったり、人の上にたちたい、下に入りたくないという欲求は人間の持つごく自然な欲求だからです。
でも、知らないということが会話に害を及ぼします。不思議なことに、自覚していない欲求ほど、会話にでてしまうからです。そして自分がそういう欲求を持っている、と知っていれば、「相手が100%悪い!」という世界から抜けやすくなるし、会話の途中でいくらでも引き返すことができます。
「あ、今私、負けたくない思いであなたを責めすぎちゃった。ごめんね。」と言うことができるようになったり、あるいは「負けたくないという思いで謝れないけど、本当は自分が過剰に怒ってるって知ってるの。」と言えるようになったりします。そうすることで、夫との距離が離れてしまうのを少し減らせるようになるのです。
ということでここではまず、心の中にある欲求をみていきましょう。
やり方は簡単!
頭の中にある、欲求をリストアップするのです。この時、ポイントはこの欲求が良いか悪いかは考えない事です。自分の心の中にあるものを整理するのが目的で、欲求を持っている自分にバツをつけることが目的ではありません。バツをつけると逆にストレスがたまってしまいます。ここではありのままの自分の心の内を受け止めていくレッスンだと思ってやっていきましょう。
ちょっとダークで書くのに抵抗があるものも、思い切って書いてみてください。
下に例を用意してので、これを活用してもらうとよりいいと思います。
欲求サンプル
当てはまるものにチェックをつけていきましょう。
★夫にしてあげたいこと
・優しくしたい
・愛したい
・話を聞いてあげたい
・喜ばせたい
・ありのままの彼を受け入れたい
・彼の心を理解したい
・セックスで気持ちよくしてあげたい
・子供を産んであげたい
・幸せにしてあげたい
・その他(思いつくものを書いてください)
★夫にして欲しいこと
・もっと愛して欲しい
・もっと理解して欲しい
・生活を安定させて欲しい
・話を聞いて欲しい
・ありのままの自分を受け入れて欲しい
・セックスで気持ちよくして欲しい
・親の面倒を押し付けないで欲しい
・自分の親の面倒をみることに協力して欲しい
・子作りに協力して欲しい
・子育てに協力して欲しい
・家事を手伝って欲しい
・その他(思いつくものを書いてください)
★ちょっとダークな欲求リスト
・自分のペースで進めたい
・わからせたい
・相手の上に立ちたい
・相手の下にはなりたいくない
・ストレスを発散したい
・勝ちたい
・負けたくない
・捨てられたくない
・自分の有能性を証明したい
・自分の必要性をわからせたい
・その他(思いつくものを書いてください)
★どんな関係になりたいかリスト
・なんでも言い合える関係になりたい
・お互いを理解し合う関係になりたい
・愛し愛される関係になりたい
・信頼と愛情で結ばれたい
・その他(思いつくものを書いてください)
チェックを終えたらそれをぼーっと眺めてみましょう。「そして、そうか〜、私の心の中ってこうなっているんだな。」と受け取ってみてください。
それから、自分が最も大切にしたいものに二重丸をつけましょう。このワークの大事なところは、自分の持っている欲求を知ることと、その中から大切にしたいものをはっきりさせる、という意図があります。欲求がごちゃ混ぜになっていると、大切にしたいものが後回しになってしまことがあるからです。それは、楽しい午後を過ごしたいと思っているはずなのに、相手を言い負かしてしまう、というようなことです。
大切にしたいことを明確にして、会話がすれ違った時は最初に戻るようにすることです。すれ違い始めたら、何かがずれているというサインです。大切にしたいことがわかっていればすれ違いに気づいた早い段階で、会話の軌道修正ができるのです。
最初の私と夫のやりとりで言えば、私が自分の都合で夫を責めすぎていることに気づけた時点で「ごめんね、私のやり方で進めたいという欲求がでて責めすぎたね。本当はただ楽しい午後を過ごしたいだけだったの。協力してもらえたら嬉しいわ。」と言い直すことができるのです。
つづく
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