プチ心理学講座, 夫婦の対話

言ってることとやってることが違うじゃない!

私がよく夫に腹を立てたことの一つ。
「さっき、こうするって言ったじゃない!言ったことをどうしてやらないの?」
というようなことがあります。
 
言ったのにやらない。
やらないのにやるって言う。
 
困るし、腹が立ちますよね。
 
夫には何度か「やるって言ったことはやってよ。」とか「やらないならやらないと言って。」と話をしたことがありましたが、結局あまり意味がありませんでした。
 
このミスコミュニケーションが何度かあった後、何が起きているのか私なりに考えたことがあります。
 
 
 
 
 
このタイプのミスコミュニケーション、よく分析すると、私の話しかけ方はこんな感じでした。
「◯◯さんに連絡しておいたほうがいいと思うんだけど、あなたがやる?私がやる?」
 
そうすると夫が「・・・・僕、やる。」と答える。
 
数時間後に「〇〇さんに連絡した?しない?」と私が聞く。
夫が「・・・・まだ。」と答える。
 
 
 
このやりとりを思い返していて、はっと気づいたことがあります。
それはこの会話のペースが、私のペースだ、ということです。
 
私は、すぐに相手から結論を引き出したい。
だから「イエス」か「ノー」だけ返事すればいいような聞き方をする。
その聞き方はおそらく矢継ぎ早。
当然、相手もすぐに「イエス」か「ノー」で答える・・・。
 
私の中では、答えたのだから相手は考えて返事をしている、と思っていたけれど、もしかすると私の矢継ぎ早なペースで聞くと、相手は情報が頭に残らないうちに返答してるかもしれない、と思ったのです。
 
そう考えてみると、夫は会話のペースがゆったりのタイプ。
言葉をひとつひとつ感じながらしゃべるので、時々、聞いているのがもどかしくなるくらいです。そして夫の話が長く感じて頭に入ってこなくなることもあります。
 
もしかして夫は逆なのかもしれない、早いペースの会話は頭に入らないのかも、と思った私は矢継ぎ早に質問するのをやめるようにしてみました。そしてできるだけ相手の言葉で返答してもらうようにしたのです。
 
聞き方も少し変えてみました。
「〇〇さんなんだけどさ、連絡したほうがいいと思ってるんだけど、どう思う?」と聞き、相手が言葉を発するまで黙って待つことにしたのです。
 
こうやって色々考えてみたり、自分の話しかけ方を変えてみたりしている中でわかってきたもことがあります。
 
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会話のペースはひとそれぞれ
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夫と私の例のように、会話のペースはひとによって違います。
情報をコンパクトに話すのを好む実務的なひともいれば、じっくり味わいながら話す感覚的なひともいます。それぞれタイプなので、どちらが良い・悪いはありません。でもタイプが違う、ということを知っておかないと、相手のペースに戸惑ったり、イラついたりすることになります。
 
私はどちらかというと実務的な会話を好む方です。以前に感覚的はひとと話していた時、私はその人の話を聞いているにもかかわらず、「聞いてくれているかどうかわからない。」と不満を言われたことがあります。それは私のうなづきや相槌が短かったからです。じっくり会話するその人にとっては、短い相槌は聞いてくれているような気がしないのですね。その人は私がじっくり感じながら相槌をうつと、「聞いてもらえた。」と思うようでした。
 
 
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対話は口先のやりとりではない
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結局のところ、対話はエネルギーのキャッチボールです
それは、こちらから投げたボールを相手が相手の力で投げ返してくるのをまた受け取る、ということです。
自分のエネルギーフィールドのみで会話をしている場合、形はキャッチボールをしているように見えても、実は相手のエネルギーは返ってきていません。自分のエネルギーが壁に当たって反射しているだけです。
 
私は学生の頃、バドミントンをやっていたのですが、練習の中で壁打ち、というのがありました。壁に向かってシャトルを打って、壁に当たって跳ね返ってきたのをまた打つのですが、これと同じだな〜、と感じます。壁打ちはリズムや返ってくる方向が予測しやすく、自分のペースでできるのです。でも、壁でなく人と打ち合う時はリズムも方向も自分の予測通りとはいかなくなるのです。
 
 
自分のエネルギーフィールドで話すのは楽です。だから人は往々にして、自分のエネルギーフィールドで話を進めようとしがちです。でも、会話を自分のエネルギーフィールドで進めるということは、無意識的に相手のフィールドが入り込む隙を与えないようにしている、ということです。もっと簡単に言えば、自分の思い通りにことを運ぼうとしている、ということですね。思い通りに会話を進めれば、会話自体は自分の好みの会話ができます。でも、相手のエネルギーが出ないようにしているので相手の本当の意図を汲み出すことはできません。さらにこじ開けようとすればするほど貝が閉じていくように、こちらのエネルギーが強ければ強いほど、実は相手の心は閉じていくので、自分のエネルギーが相手の中には入っていかなくなっていきます。つまり、自分のことを理解してもらうこともなくなってしまうのです。
 
 
 
理解し合う対話のために知っておくと良いことをまとめると
 
1、対話とはエネルギーの交流。自分のエネルギーフィールドで話を進めている限り、エネルギーの交流は行われていない。
 
2、相手のエネルギーを受け取り、自分の中で咀嚼した後で自分のエネルギーを相手に返す。そのキャッチボールが対話である。
 
 
こういったことを理解しながら対話していると、相手が「言ってることとやってることが違う。」ということは、自然になくなっていきます。
相手の言動が一致しない時、ちょっと気にしてみてくださいね。

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